第112話・幽霊

第1回・上清水一三六賞 参加者募集中

第4回恋文祭り開催中

妙な噂を耳にした。
しばらく前に非業の死を遂げたミステリィ作家・青薔薇かをる氏の姿を
見かけたという目撃談が、かなりの数、私のところに入ってきているのだ。

そろそろ夏も終わりだというのに、幽霊が出現しているのか?

確かに、作家としての勢いも絶好調で、
今後のさらなる活躍が期待されていた時期の急逝。

成仏できないとしても、不思議はない。

私はもちろん、幽霊なんていうものの存在は信じたくないのだが、
信じざるを得ないような出来事があった。

青薔薇かをる氏からメールが届いたのだ。

大変ご無沙汰しているが、近々ごあいさつにうかがいたい、
という内容だった。

誰かのイタズラにしては、趣味が悪すぎる。
それになによりも決定的だったのは、複数ある私のメールアドレスの中で、
生前の青薔薇氏との打ち合わせ用に取得した専用アドレスに届いたこと。
いわばホットライン。氏しか知らないはずのアドレスだったのである。

このエピソードには、オチがない。
真相が解明されないのだから、ミステリィではなく、単なる怪談だ。

果たして青薔薇氏は、蘇ったのか?
それとも現世を彷徨う幽霊なのか?
誰かが、青薔薇氏の名を騙っているのか?

あいさつに来る、というのだから、待つしかないような気もする。
その時、すべてが明らかになるのかもしれない。

この件については、遠からず続報をお伝えできると思う。
その時。



トントントン、ノックの音がした。
ドアを開けるとそこには……。
[PR]
by osarudon1 | 2004-09-18 14:29