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第143話・今川義元殺人事件

第6回 一人ぼっちの世界TB 結果発表ー(1)への反省文です。全く反省してませんが、公約どおりに『今川義元殺人事件』を書くことで反省に代えさせていただきます。

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上清水先生から電話がかかってきた。
「入江君、久々に新作の構想が浮かんだよ」
「一応、聞いておきましょう」
「なんと、今度は歴史ミステリィだ。タイトルは『今川義元殺人事件』。どうだい?タイトルだけでベストセラーの匂いが漂ってくるだろう?」
「返本の山となった倉庫がビジュアルで浮かびました」
「わっはっは。冗談きついね、君も。とにかくこの本は売れる。売れるぞぉ」
「売れてほしいのは僕も同じですけどね。で、どんなストーリーなんですか?」
「うむ。君も知っての通り、歴史ミステリィというのは歴史上起こった事件と、現代で起こった殺人事件がリンクする、という手法が多い」
「それは、確かにその通りです」
「私も、そういう手法が一番読者にウケるのだと思う。だから、今回の作品も、現代で起こる、歴史研究家の殺人をメーンに、桶狭間の戦いにおける今川義元にまつわる疑惑を絡めていこうと思っている」
「ここまで聞いた限りでは、ものすごくマトモですね。このあと、どこに落とし穴が用意されているのかワクワクしてきましたよ」
「マトモだよ、全部。ただし、歴史というものは何もかもが積み重ねなのだ」
「さあ、何を言い出すんでしょうか、この人は。ワクワク」
「現代の事件も、桶狭間での出来事の影響下にあるものになる」
「ほほう」
「そして、ここからが肝心だ。桶狭間の戦いそのものも、当然、それ以前の歴史的出来事が影響している」
「まあ、そうでしょうね。それが歴史というものですね」
「だから、現代の事件、そして桶狭間の事件、それらの謎を解くために、もっと
歴史を遡ったところから書き始めようと考えているのだ」
「なんだか、張退作先生もビックリの大長編になりそうな予感が」
「鋭い! 鋭いよ入江君。おそらくプロローグだけで3冊くらいはかかってしまうだろうな」
「どこまで歴史を遡るつもりなんですか」
「まずは、こうだ。神は最初に海を創りたもうた……」
「そこからかよっ!」


無論、「今川義元殺人事件」が出版されることはなく、またしても読者が上清水一三六の新作を読める日は遠のいたのであった。



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by osarudon1 | 2005-06-07 18:29