第3話・取調室

「5月2日午後9時30分ごろ、東京都府中市の路上で帰宅途中の会社員女性を……」
「俺はやってねえ!」
「……最寄の駅からずっと尾行した挙句、周囲に人気が無くなったところを見計らい……」
「だから俺じゃねえ! 濡れ衣だ!」
「……背後からそっと忍び寄り……」
「その時間、俺は千葉市内のスナックで飲んでたよ!」
「……隠し持っていたスタンガンを取り出し……」
「店のママに聞いてくれよ。アリバイはハッキリしてるんだ!」
「……女性の首筋にいきなり押し当て……」
「そんな女、会ったこともねえよ!」
「……気絶したのを確認してから女性の衣服を全部脱がせ……」
「俺を変質者扱いするな!」
「……極太の……」
「刑事さん、だから俺は無実だってば!」
「……サインペンで女性の腹部に〝へのへのもへじ〟を書いた……」
「は、はぁ?」
「……自称・前衛芸術家の松平順平が……」
「誰だ、それ?」
「……経営するソバ屋で……」
「……」
「……鴨せいろを食い逃げした無銭飲食犯はお前だろっ!!!」
「……私です」
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by osarudon1 | 2004-05-08 08:42