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第179話・ナンバーズ3

港にある輸入食品会社の倉庫で、1人の男が死体となって発見された。

男はその筋では有名な、麻薬の売人。
どうやら、麻薬取引に関係したいざこざで殺されたようだ。

捜査陣が注目したのは、死体が握り締めていた7枚の『ナンバーズ3』。
いずれも先月発券されたもので、1枚に1つずつ、3ケタの数字がプリントされていた。

173
213
661
758
773
871
921

以上、7枚である。

「金原警部、私はこの数字でピンときたんですけど」

「言ってみたまえ」

「大型のマンションか、ホテルの部屋番号ではないでしょうか。
 場所が特定できれば、それらの部屋にきっと手がかりが…」

「違うな」

「と、いいますと?」

「173とか、773とか、ワンフロアに73部屋もあるマンションなんて、
 そう滅多にあるもんじゃないぞ。ホテルにしても相当でかい」

「でも、絶対に無いわけじゃないですよね」

「可能性はゼロではない。しかし、この数字は他の意味を持っている」

「なんですか、それは?」

「人名だ。たぶん、被害者を襲った組織の連中の名前だろう」

「数字が名前を?」

「そう。37564と書いて何と読む?」

「ミナゴロシ。…あ、なるほど、その要領で読むんですね」

173=イナミ=稲見
213=ニイミ=新実
661=ムロイ=室井
758=ナゴヤ=名越
773=ナナミ=名波
871=ハナイ=花井
921=クニイ=国井

「間違いないな…これが犯人たちの名前だ」

「お見事です、金原警部」

「ん……、このナンバーズ3、10月13日の抽選じゃないか…」

「それが何か?」

「あ、いや、なんでもない。私は、この花井という男に心当たりがある。
 この券だけ、ちょっと私が預かっておこう」

「は? ええ、わかりました」

こうして、金原警部は1等10万9200円の当せん券を、
まんまとせしめたのであった。
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by osarudon1 | 2005-11-02 19:04