「ほっ」と。キャンペーン

第199話・解けた謎と残された謎

「俺が小学生の頃、近所に『モチャモチャおばさん』って人が
 いたんだよ」

「なんだ、モチャモチャって?」

「そのおばさん、いつも歩きながら『モチャモチャー!』って
 叫んでいたんだ」

「意味不明な言葉だな。モジャモジャじゃないの?」

「確かに、髪の毛は伸ばし放題でモジャモジャだったけど、
 間違いなく発音は『ジ』じゃなくて『チ』だったよ」

「で、その言葉の意味は解ったのかよ?」

「わかった。ある日、そのおばさんの留守を狙って、家に
 しのびこんだイタズラ小僧がいたんだ。俺だけど」

「おばさんの家にか? この泥棒野郎が!」

「いや、盗みが目的じゃなくてさ、単純にモチャモチャの
 謎を解きたくて手がかりを探そうとしたんだ」

「お前、小学生の頃から探偵みたいなことしてたんだな」

「だから、今こうして、名探偵として活躍してるんじゃないか」

「わかったから、早くモチャモチャの意味を教えろよ」

「そのおばさん、家の中の至るところに、ある言葉を書いた
 紙を貼りまくっていたのさ」

「何て書いてあったんだ?」

「うむ。『餅は餅屋』だった」

「ああ、ことわざの」

「そう。あまり早口だったんで、モチハモチヤがモチャモチャに
 聞こえていたんだな」

「なるほど、餅は餅屋ねえ……って、おい! 何と叫んで
 いたのかはわかったけど、そのおばさん、どうしてまた、
 餅は餅屋なんて叫びながら歩いてたんだ?」

「それは今となってはわからない。神のみぞ知る、だな」

「神さまだって知らねえよ!」
[PR]
by osarudon1 | 2005-11-19 12:57