第17話・MOON STRUCK ONE
2004年 05月 27日
昔から「ぼんやりさん」のあだ名で呼ばれていたくらい、
彼はいつもボケーっとしている。
心、ここに在らず。
かといって、何か考え込んでいるわけでもない。
空を流れる雲の動きを目で追うとか、
行き交う車や人の波を、ただただ眺めているだけだ。
そんな彼が、殺人事件の唯一の目撃者だというのだから、
お話にならない。
現場から急ぎ足で立ち去る人物の姿を、
見かけたことは見かけたのだが、当然のごとく、
その特徴など何も覚えてはいない。
男なのか女なのかさえ、認識していないのだ。
もしかすると、殺人事件の被害者が
彼自身だということも、自分ではまだ気付いていないのかもしれない。
薄れゆく意識の中で、彼が最後に見たものは犯人の背中のはずなのに。
いったい、彼の目には何が映っていたのだろうか。
困ったなあ、ぼんやりさん。
彼はいつもボケーっとしている。
心、ここに在らず。
かといって、何か考え込んでいるわけでもない。
空を流れる雲の動きを目で追うとか、
行き交う車や人の波を、ただただ眺めているだけだ。
そんな彼が、殺人事件の唯一の目撃者だというのだから、
お話にならない。
現場から急ぎ足で立ち去る人物の姿を、
見かけたことは見かけたのだが、当然のごとく、
その特徴など何も覚えてはいない。
男なのか女なのかさえ、認識していないのだ。
もしかすると、殺人事件の被害者が
彼自身だということも、自分ではまだ気付いていないのかもしれない。
薄れゆく意識の中で、彼が最後に見たものは犯人の背中のはずなのに。
いったい、彼の目には何が映っていたのだろうか。
困ったなあ、ぼんやりさん。
by osarudon1
| 2004-05-27 16:54