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第28話・ひみつのコハク→

新雪が1・5メートルも降り積もった、
北海道の、とあるゴルフ場。

その7番ホール、グリーン上で、1人の男が息絶えていた。

死因は絞殺。
首にはくっきりと、紐状の痕がついており、
ゆがんだまま固まった表情からは、
死に際の苦しみが十分にうかがえた。

しかし奇妙なのは、男が死んでいたグリーンまで、
雪上には全く足跡が残されていなかったことだ。
絞殺犯人の足跡だけではない。
被害者自身の足跡も無いのだ。
もちろん、竹馬の跡、スキー板の跡、ソリの跡、
いかなる跡も残っていない。
完全にグリーン周りは、美しい雪で覆われていた。

検死の結果、死亡推定時刻の3時間前には
雪は降り止んでおり、降り続いた雪が
足跡を消してしまった可能性はない。
場所が場所だけに、周囲に建物などの
雪を踏まずに接近できるものは皆無。
木の枝をつたっていくという方法も、
林からグリーンまでの距離がありすぎて不可能だ。
犯人は、被害者を殺害した後、
大空へと飛び去ってしまったのだろうか?

実は、犯人の足跡が無い理由は不明だが、
被害者の足跡に関しては、死体の状況を見れば
一目瞭然だった。
その絞殺死体は腰から下を切断されており、
上半身しか無かったのである。
足が無ければ、足跡が残るはずもないというわけだ。

となれば、可能性は1つ。
被害者は別の場所で絞殺され(切断も?)、
何らかの方法で死体がグリーン上に運ばれたのである。
しかし、その方法は不明だ。
犯行当時、飛行機やヘリコプター、グライダーなどの
空を飛ぶ乗り物は、ゴルフ場上空を
一切飛んでいないことは確認されている。


翌日、絞殺犯人が自首。
犯人は被害者の会社の同僚で、女性を巡る口論の末、
カッとなって犯行に及んだとのことだった。
だが、死体は車でゴルフ場近くの山中に運び、
そこに捨てた。体も切断していないし、
ゴルフ場に死体を移動してもいない、と供述。
犯人が捕まっても、不可思議な謎は
解明されなかった。





そのころ、現場から約3000㎞離れた海上を、
人間の足らしき物を、
牙のある大きな口にくわえて飛んでいる
翼を持った恐竜がマグロ漁船に目撃されていた。
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by osarudon1 | 2004-06-10 18:02