第35話・トラバでボケちゃった

第3回トラバでボケましょう!
恋人(または妻)とTVの旅番組を観ています。

すると、レポーターのうしろに、あなたと、女性の姿が映ります。

髪型、顔、体形、どれをとってもあなたそのものです。TVに映ったあなたは女性の肩に腕をまわし、女性はあなたの腰に手をまわし、恋人、といった感じで楽しげにわらい合っています。

そう、あなたは数週間前に、彼女に内緒で浮気相手と旅行をしていたのです。

彼女はTVを食い入るように見つめ、目を大きく開き、口もぽか~んと開いています。


このあと、ふたりは !?

* * * * * * * * * * * * * * * * * * 
「……これは……いったい、どういうこと?」
「ど、ど、ど、ど、どうって、何のことかなぁ?」
「とぼけないでよ! あの女とアナタがなぜ一緒に映ってるのよ?!」
「まあ、これにはいろいろと複雑な事情が」
「ここ数日はアナタ、出張がないから、この映像が収録されたのは、
3週間前の東北出張の時よね?」
「んー、まあ、そうだな」
「なぜあの女が一緒にいるのよ?」
「出張に連れて行ったわけじゃないんだよ。たまたま、向こうでバッタリと」
「ごまかさなくてもいいの。アナタがあの女と長いこと浮気してたのは、とっくに
知ってるのよ。私が言いたいのは、そんなことじゃないの」
「バレてたのか。で、何が言いたいんだ? 離婚か? 慰謝料か?」
「違うわよ。アナタの出張に、あの女が同行できるわけないのよ!」
「そう言われても……あの時は上野駅で彼女と待ち合わせして……おっとっと」
「私はね、浮気に気付いた時から、亭主を寝取った女への復讐を考えていたのよ。それで、アナタが出張で留守の時を見計らって、あの女の家へ行った」
「……」
「あの女、ちょうど買い物から帰って来たところだった。私は周囲に誰もいないことを確認して、泥棒猫の首筋にスタンガンを押し当て、気絶したところを車に押し込んで……」
「お、おい、何を言ってるんだ? 彼女はずっと俺と一緒に……」
「車の中で、私、彼女の首を絞めて殺したの」
「殺しただってぇ?!」
「それから、山の中まで死体を運んで、埋めたのよ。もちろん、完全に死んでいたわ」
「そ、それじゃあ、俺と一緒に東北へ行ったのは……」
「幽霊、ってことになるわね」
「どひゃーっ! く、くわばら、くわばら。……いや、ちょっと待て」
「何よ?」
「確かあの時、彼女、家を空けるから留守番を……」
「留守番?」

ちょうどそのころ、男の浮気相手は、
ここ数日行方不明になっている双子の妹の捜索願いを警察に届け出ていた。
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by osarudon1 | 2004-06-19 10:40