第38話・トラバでボケちゃった(上清水一三六リミックスバージョン)

なかなか新作が書けないスランプ作家・上清水一三六。
彼の新たな試みは、他人の作品をリミックスするという、
これまた音楽からヒントを得た手法だった。



恋人(または妻)とTVの旅番組を観ています。

すると、レポーターのうしろに、あなたと、女性の姿が映ります。

髪型、顔、体形、どれをとってもあなたそのものです。TVに映ったあなたは女性の肩に腕をまわし、

女性はあなたの腰に手をまわし、恋人、といった感じで楽しげにわらい合っています。

そう、あなたは数週間前に、彼女に内緒で浮気相手と旅行をしていたのです。

彼女はTVを食い入るように見つめ、目を大きく開き、口もぽか~んと開いています。


このあと、ふたりは !?

* * * * * * * * * * * * * * * * * * 
「……これは……いったい、どういうこと?」
「ど、ど、ど、ど、どうって、何のことかなぁ?」
「とぼけないでよ! あの女とアナタがなぜ一緒に映ってるのよ?!」
「まあ、これにはいろいろと複雑な事情が」
「とぼけないでよ! あの女とアナタがなぜ一緒に映ってるのよ?!」
「まあ、これにはいろいろと複雑な事情が」
「とぼけないでよ! あの女とアナタがなぜ一緒に映ってるのよ?!」
「まあ、これにはいろいろと複雑な事情が」
「なぜあの女が一緒にいるのよ?」
「出張に連れて行ったわけじゃないんだよ。たまたま、向こうでバッタリと」

「ごまかさなくてもいいの。アナタがあの女と長いこと浮気してたのは、とっくに知ってるのよ。私が言いたいのは、そんなことじゃないの。私はね、浮気に気付いた時から、亭主を寝取った女への復讐を考えていたのよ。それで、アナタが出張で留守の時を見計らって、あの女の家へ行った。あの女、ちょうど買い物から帰って来たところだった。私は周囲に誰もいないことを確認して、泥棒猫の首筋にスタンガンを押し当て、気絶したところを車に押し込んで……車の中で、私、彼女の首を絞めて殺したの。それから、山の中まで死体を運んで、埋めたのよ。もちろん、完全に死んでいたわ」

「あの、話が長くてよくわからないんで、もう一度……」

「ごまかさなくてもいいの。アナタがあの女と長いこと浮気してたのは、とっくに知ってるのよ。私が言いたいのは、そんなことじゃないの。私はね、浮気に気付いた時から、亭主を寝取った女への復讐を考えていたのよ。それで、アナタが出張で留守の時を見計らって、あの女の家へ行った。あの女、ちょうど買い物から帰って来たところだった。私は周囲に誰もいないことを確認して、泥棒猫の首筋にスタンガンを押し当て、気絶したところを車に押し込んで……車の中で、私、彼女の首を絞めて殺したの。それから、山の中まで死体を運んで、埋めたのよ。もちろん、完全に死んでいたわ」

「じゃあ、俺と一緒にテレビに映っているのは……」
「幽霊、ってことになるわね」
「どひゃーっ! く、くわばら、くわばら。……いや、ちょっと待て」
「何よ?」
「確か、彼女と旅行へ出掛ける前の晩……」
「前の晩?」
「俺、お前の首を絞めて殺したはずなんだけど……」
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by osarudon1 | 2004-06-23 17:40