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第67話・スターレットの誓い



私の名前は、鴇田不治男。
しがない私立探偵だ。
一年中、懐が寂しくてピーピーしているスカンピンだが、
ハードボイルド小説に憧れて探偵になったからには、
男の美学を貫くライフスタイルだけは譲れない。

かつて、国産ハードボイルドの旗手・原寮氏が
「作品に登場する小道具の選択ひとつ間違えても、
 ハードボイルドの世界観は成立しなくなる」
というようなことを書いていた。
確かにその通りだと思う。

タバコの銘柄、愛車へのこだわり、服装、音楽など、
どの要素も伝統的ハードボイルドの世界を構築する
重要な小道具なのだ。

私は、金はなくともその点だけは譲れない。
絶対的なこだわり。これをなくしたら、
私の私立探偵としてのアイデンティティが崩壊する。

1日に3箱は空けるタバコは「キャスターマイルド」。
服装は上から下まで、ユニクロで統一している。
生涯で最も愛する曲は、渡辺美奈代の「ちょっとFall In
Love」。
そして10年間乗り続けている愛車は、1990年型の
トヨタ「スターレット」だ。

腕っぷしにも自信がある。
バトルのベストパートナーは「ピカチュウ」。
決めの技は10万ボルト。

今日も、愛車「スターレット」のハンドルを握り、
美奈代の歌を流しながら街を行く私。
私を主人公にしたハードボイルド小説を、
誰かが執筆してくれるまで、このスタイルを貫き通す。
車の中で、今日も改めて誓いをたてるのだった。
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by osarudon1 | 2004-07-21 16:51