第83話・永遠の敗者



上清水一三六から電話があった。
「トラバボケ、敗者復活戦がおこなわれるようだね」
「そのようですね」
「今度こそ、ほぼ確実にチャンプになれる作戦を
 考案したのだよ」
「……一応、聞いておきましょう」
「今回は読者投票方式じゃないか」
「それで?」
「1人2票、投票できるのだ」
「それで?」
「みんな、まず1票は自分に投票する」
「それで?」
「問題は残る1票だ。そこでみんなは考える。
 他の優秀な作品に票を投じたら、自分の首を
 絞めることになるのでは、と」
「それで?」
「だから、もう1票は、最も出来の悪い作品に
 投票しておけばいい」
「それで?」
「誰もが同じことを考えるなら、最も出来の悪い
 作品に大量の票が集まることになる」
「……だんだん読めてきました」
「つまり、誰もが最低だと認めるような、ひどい
 作品を書けば最多得票確実というわけだ」
「で、わざと先生はひどい作品を書こうと?」
「鋭いね。その通りだよ。今、どうすれば
 作品のレベルをどん底まで下げられるか、
 研究中だよ」
「大丈夫です。普通に書けば、あんたの作品は
 ナチュラルワーストです」
「わっはっは、君も冗談がきついね」
「でも、みんな素直な人達ですから、本当に
 面白かった作品にしか票は投じないと思いますよ」
「がき~ん、どよよん!」
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by osarudon1 | 2004-08-11 12:43