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第101話・グッピーズ伝説(4th)



(第98話~100話を未読の方は、そちらからお読みください)


『スウィート・グッピーズ』

グッピーズ、4枚目のアルバムは、タイトル通りに
甘いポップス感に満ち溢れた作品集となった。
収録曲は『渚の恋の涙』など、またもや全10曲。
全体的に、60年代のサウンドを彷彿とさせるような
ドリーミーなオールディーズ感覚で統一されている。

しかし、またしても驚かされたのは、そのリリース形態。
なんとこのCDは、レコード店に並ばず、百貨店や
スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの
〝菓子コーナー〟に食玩として置かれたのだ。

商品の主役は、カラフルなゼリービーンズ。
CDは、一応、〝オマケ〟ということになっている。
販売価格は、フルアルバムであるにもかかわらず、
500円という激安ぶり。これもバンドサイドの
コメントによれば、決してビッグアーティストとは
呼び難いグッピーズのCDは、都市部の大型CD店にしか
商品が入荷せず、地方では入手しにくいというのが
全国規模で流通できる食玩扱いにした理由だそうだ。
低価格については、「ゴディバのチョコじゃないんだから、
3000円もする菓子を誰が買うものか」とのこと。
価格を抑えるために、レコーディングはすべてメンバーの
自宅で行い、印税はゼロということでレコード会社の
OKをもらったらしい。

ところで、このアルバムに関して、グッピーズとしては
極めて珍しい出来事があった。
これまで、一度もライブを行わず、テレビ出演をすることも
なかったグッピーズ。音楽雑誌などにはたびたび登場していたので
〝覆面バンド〟というわけではなかったのだが、ファンの前に
直接姿を見せる機会は皆無といってよかった。
それが、なんとバンドの歴史上唯一となるテレビの音楽番組出演を
この時期に果たしているのだ。

『スウィート・グッピーズ』には、1曲だけインストナンバーが
収録されていた。タイトルは『霧のターンパイク』というもので、
北欧エレキインストバンドに影響されたようなメランコリックな
楽曲だ。
グッピーズはその活動期間中に1枚もシングルを発売していないが
この曲が、某テレビ局の深夜ドラマのテーマとして起用された縁で
同局の音楽番組にも出演して演奏することになった次第。
この時の放送を録画したビデオは、ファンの間ではけっこう
高値で取引されているようである。

テレビ出演もあり、一般音楽ファンの間でも、グッピーズの名前は
少しずつ浸透し始めていた。
いよいよ大ブレークか? と誰もが思ったのだが、大方の予想を
裏切り、次なる5枚目のアルバム『さよならグッピーズ』が
彼らのラストアルバムとなってしまったのだ。
そしてその電撃解散の裏には、バンドの意外な事実が隠されていた
のだった。
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by osarudon1 | 2004-09-02 20:42