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第104話・現場検証

第103話・KING OF HOLLYWOOD

殺人現場は、メルローズ地区のはずれにある、
小さなワンルームのアパートメントだった。

被害者はドアのすぐ内側で、額を銃弾に貫かれて
絶命していた。

「けっ、ひでぇ部屋だな。典型的なポルノマニアだぜ」
「いるんだよ、LAには。こういう輩が腐るほどな」

壁から天井から、いたるスペースが扇情的な
ヌードポスターで埋め尽くされている。
床の上には、棚に収まりきらずにあふれ出した、
無数のアダルトビデオテープが積み上げられている。

刑事が何本かを手に取って、パッケージをしげしげと眺めた。
「ハードコアものばかりじゃねえか。SMやスカトロもあるぜ」
「ブロンドに黒人に東洋人、女の趣味はでたらめだな」
「ビデオの山、証拠物件として押さえるか?」
「必要ないだろう。個人的に鑑賞したけりゃ別だがな」
「遠慮しよう。それにしても、ポルノの山以外、
 ほとんど何もない部屋だな。物盗りの犯行じゃなさそうだ」
「被害者は、このへんじゃちょっと有名な売人らしい。おそらく
 ヤクの取り引きでいざこざにでも巻き込まれたんだろうよ」
「女がらみの事件ってことはないか?」
「女? 考えられねえな。こんなデブで不細工なポルノ狂い野郎に、
 女っ気なんかあったはずがねえ」
「言えてるな。…おい、見ろよ、こいつズボンの股の辺りに
 シミがあるぜ」
「失禁か? ……、いや、こいつはザーメンだな。情けねえ。
 撃たれた瞬間にイッちまったようだ。ど助平が」
「おおかた、見まくっていたポルノビデオのえげつないシーンでも
 思い浮かべながら、天国へ、いや地獄へ堕ちたんだろうよ」
「こういう死に方だけは御免こうむりたいね、男として」
「同感だ。……死に様は選びたいものだな」
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by osarudon1 | 2004-09-06 20:04