第216話・路地裏の散歩者(超人軍団第4号)



彼の名は「マッピィ」。
二つ名は「路地裏の散歩者」。
これがラノベなら、「ダウンタウンウォーカー」
なんていうルビがふられるところだ。

マッピィは、普通の人間では持ち得ない、
さまざまな特殊能力を持つ超人軍団の一員だった。

その能力とは――。

全く土地鑑のない場所でも、複雑に入り組んだ路地でも、
地図を一切見ることなく、確実に目的地へと最短時間で
たどり着ける、というものだった。

まさにナビゲーション要らず。
彼は「地図」というものの存在すら、意識したことがない。
ゲームに登場するようなループするダンジョンだろうと、
マッピィにとっては迷宮でもなんでもないのだ。
まあ、道に迷わないというだけといえばそれまでだが。

しかし、これも立派な超能力ではあった。

ただし、この能力には欠点もある。

確実に目的地に到着する――この言葉がトリックなのだ。
実は、彼は人並み外れた方向音痴であった。
そのため、最初から意図した場所へ行くことは、
あきらめているのだ。では目的地とは?

――勝手に目的地を変更してしまうのである。
どこかの家に荷物を届けるという任務があったとして、
途中でおいしそうなラーメン屋を見かけたら、
もう、マッピィにとっての目的地は、そのラーメン屋に
変わっているのだ。
だから、目的地には確実に到着するのであった。

このマッピィの超絶能力は、やがて勃発する大きな事件の
行方を左右することになるのだが、その話はまたの機会に。



~第217話・暴れる濁流(超人軍団第5号)に続く。~
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by osarudon1 | 2007-02-20 18:59