第222話・続東海道五十三次殺人事件
2007年 03月 12日
殺された被害者は、死ぬ間際に、以下のような
ダイイングメッセージを残していた。
『品川、川崎、神奈川、程ケ谷、戸塚、藤沢、平塚、
大磯、小田原、箱根、三島、沼津、原、吉原、蒲原、
由比、興津、江尻、府中、鞠子、岡部、藤枝、島田、
金谷、日坂、掛川、袋井、見付、浜松、舞阪、新居、
白須賀、二川、御油、赤坂、藤川、岡崎、池鯉鮒、
鳴海、宮、桑名、四日市、石薬師、庄野、亀山、関、
坂下、土山、水口、石部、草津、大津』
こんなに長いダイイングメッセージがあるか!
ここまで書く余裕があるならストレートに犯人の
名前を書き残せよ!
などと、無粋なことを言ってはいけない。
ミステリィでリアリズムを追求し始めたら、そもそも
ダイイングメッセージというものの存在自体が揺らぐ。
とにかく被害者は、このメッセージを残したのだ。
さあ、被害者が伝えたかった犯人の名は?
と、クイズ形式にしたところで、誰もまともに
考えてはくれそうもない。
したがって、サクサクと結末を書くとしよう。
「ボス、このメッセージは何を意味しているのでしょう?」
「被害者の交友関係に、吉田という人物はいるか?」
「はっ、会社の同僚に吉田一郎という男がいますが」
「そいつだ、犯人は」
~THE END~
by osarudon1
| 2007-03-12 19:40