本格ミステリィはアンフェアな要素を拒絶する

ミステリィ小説においては、事件の手がかりを
すべからく読者に提示しなければならない。
作者が特定の手がかりなり情報なりを、
意図的に読者から隠蔽すると、アンフェアと言われる。
これが叙述トリックなどの場合には、
隠蔽はしないが、読者が誤解するような形で提示するなど、
必ずしもアンフェアではないこともある。
では、どのようなケースがアンフェアであるのか。
ここではその典型的な一例を紹介しよう。

次の写真は、犯行現場を撮影したものである。
これを見て、真相を看破せよ、というわけだ。

a0018267_15343876.jpg


しかし、この写真には、トリックを解明するための、
決定的な「証拠」が抜け落ちているのだ。

もう1枚の写真を見ていただきたい。

a0018267_1535569.jpg


1枚目には写っておらず、2枚目で初めて提示された証拠が
あることに気がついたであろう。

そう、この皿は、一部分が欠けているのだ。

それが1枚目の写真では分からない。

にもかかわらず、1枚目しか読者に提示しないのは、
これは明らかにアンフェアなのである。

2枚目を見れば、容易にお分かりになるはずだ。
吉祥寺いせやで起こった完全密室殺人事件のトリックが。
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by osarudon1 | 2008-05-20 15:35